「もしもし、○○だけど。お金を貸してほしい」。19日午前11時ごろ、埼玉県入間市の男性(49)が自宅で受けた電話は、自分の名をかたる男からのものだった。
自宅には同居する85歳の父がいる。父をだまそうとかかってきたものだ。そう、ピンときた。
「許せない」という憤りを抑えつつ、機転を利かせて冷静に父を装い、だまされたふりをした。
「大事な決裁書類の入ったかばんが誤配送された」「今日中に決裁する必要があり、お金を貸してほしい」「上司の息子が取りに行く」――。
少なくとも7、8回にわたって電話でやりとりし、百数十万円を渡すことになった。男性は警察に連絡した。
午後2時半ごろになって、1人の男が自宅のインターホンを押した。あらかじめ電話で伝えられていた名前を男は名乗った。
玄関に男を入れて封筒を渡したタイミングで、警戒していた警官が詐欺未遂容疑で男を現行犯逮捕した。
狭山署によると、男は横浜市旭区の大学生(21)。容疑を認めているという。
署の担当者は「今回は逮捕につながってよかったが、皆さんもくれぐれも注意していただきたい。お金を求める電話があった場合、親族や警察にすぐに相談してほしい」と話している。(大西英正)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル