「ようやく一歩」事故から6年…医師6人を書類送検(テレビ朝日系(ANN))

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東京女子医大病院で2014年、孝祐ちゃん(当時2歳)が鎮静剤を大量に投与されて死亡した医療事故で、医師6人が21日、業務上過失致死の疑いで書類送検されました。事故から6年8カ月、母親が今の心境を語りました。
 孝祐ちゃんの母親:「私にとっては、ものすごく長い時間。息子がなぜ死ななければならなかったのか、どういったことがあの病院で行われたのか、それを一つでも知りたいという気持ちで過ごしていました。ようやく一歩が踏み出せた」
2014年2月、孝祐ちゃんは首にできた良性腫瘍の手術のため、東京女子医大病院に入院しました。しかし、手術の後に移されたICU(集中治療室)で容体が急変し、息を引き取りました。ICUでは、人工呼吸器を付けた子どもに、原則使ってはいけない鎮静剤『プロポフォール』が4日間に渡って投与され続けていました。その量は成人に使う2.7倍です。
 孝祐ちゃんの母親:「主治医の話では、念のため一日ICUで泊まって頂くと。ずっとICUで寝たままの状態で、何回も主治医に質問しましたし、みるみる頬やまぶたがむくんで不安は募る一方でした」 孝祐ちゃんの月命日の21日、警視庁は、孝祐ちゃんの容体が変化したにもかかわらず、プロポフォールを投与し続け、適切な対応を取らなかったなど、業務上過失致死の疑いで、医師6人を書類送検しました。なぜ、捜査に6年かかったのでしょうか。
 テレビ朝日社会部警視庁担当・松本拓也記者:「捜査対象者が多く、関係者から当時の状況を聞き取るのに時間がかかった。警視庁は“プロポフォールの投与”自体は過失とは認めなかった。“プロポフォールの投与”を過失とした場合、今後の医療行為への影響も大きくなる。警視庁は、医師たちの行動のどの部分が過失に問われるのか、慎重に判断したため、6年以上の歳月がかかった」 プロポフォールの子どもへの投与は、法律で禁止されているわけではありません。禁忌(きんき)といって、他に治療方法がない場合や、患者や家族の同意がある場合などは使用できる扱いです。ただ、孝祐ちゃんの母親によりますと、孝祐ちゃんにプロポフォールを使うという説明はなかったといいます。東京女子医大病院では、孝祐ちゃんが亡くなる前にも、63人の子どもにプロポフォールを投与していたことが明らかになっています。事故を調べた、第三者委員会による報告書では「小児に使用することが禁忌である点については『知らなかった』あるいは『失念していた』」と医師団の認識の乏しさが指摘されています。
 孝祐ちゃんの母親:「(医師団)一人ひとりの気付きや適切な対応、それをしてさえいれば防げたことだと思う。“いつもやっていることだから”とか、“皆が気付いてやってくれていると思っていた”と過信せずに、一人ひとりの患者の容体や家族の言葉に、耳を傾けて目を配ってほしかった」

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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