「アサリの話したら住めなくなる」 地域ぐるみの偽装「バイト感覚」

【動画】アサリ偽装の闇-黙認の果てに-

 市場から「熊本県産」アサリが一斉に消えた2月中旬、熊本県北部にある玉名市有明海沿いを歩いた。海岸そばの空き地には、魚介類の運搬に使う、ナンバープレートがないトラックがずらりと並ぶ。

 海岸に出ると、大量の白い貝殻が混じった砂浜が広がる。人の気配は無く、近くにある作業所も無人だった。南北9キロ以上にわたって広がる国内最大規模の荒尾干潟に近く、干潮時は沖合2キロ以上の干潟が姿を見せる。

 漁協の作業場の隣にある小さな事務所の扉を開けると、受付の女性が笑顔で迎えてくれた。記者がアサリの産地偽装を取材していると伝えた途端に表情が曇り、「何も知らないので、答えられません」と断られてしまった。

 近くを歩いていた人に話しかけて回ったが、「アサリの偽装」と言葉に出すと瞬時に口を閉ざした。

 何も聞けないまま3時間ほどが過ぎたころ、家の前で洗濯物を取り込んでいた80代の女性をみかけた。

 「このあたりで蓄養をやっていますか」と聞くと、「家に入って」と小声で言われた。

「すごく後悔している」

 「話はするけど、私の名前は…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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