「アニメの道に」2度訴えた娘の記憶 京アニ事件4年、語り始めた母

36人が亡くなり、32人が重軽傷を負った京都アニメーション(本社・京都府宇治市)の放火事件は18日、発生から4年となった。遺族の悲しみや悔しさは募るばかりだ。事件現場の第1スタジオ跡地(京都市伏見区)では同日午前10時半から、非公開の追悼式が営まれる。

 事件直後は語れなかった亡き娘との思い出やつらい心境を講演で伝えるようになった。二度と同じ被害を起こさないため、心優しい人が少しでも増えればと――。

 京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で亡くなった渡辺美希子さん(当時35)の母、達子さん(73)=滋賀県在住=は、各地で講演を続けている。

 最初は2021年秋に滋賀で。それから秋田、徳島、高知などで、美希子さんの兄、勇さん(44)と一緒に講演を重ねる。今年6月には初めて京都市で演壇に立った。

 「精神的に強く、優しい心をもっている人が多いほど、嫌なことは起こらなくなる。あの人(美希子さん)がいなくなってから、そう思う気持ちが強くなっています」

 事件後、娘の話をするのは苦痛だった。講演するようになったきっかけは、事件後にカウンセラーを紹介してくれた滋賀県警からの依頼だった。

「アニメの道に進みたい」 その時母は

 娘は幼い頃からアニメが好き…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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