大阪医科大学(大阪府高槻市)は25日、元男性講師(52)が在職中、国に届け出ずに脂肪幹細胞を人に投与する再生医療を行っていたと明らかにした。大阪府警は9月、再生医療安全性確保法違反容疑で大学や元講師の関係先を家宅捜索し、厚生労働省も8月に立ち入り検査に入った。府警は元講師が報酬を受け取っていた可能性もあるとみて経緯を詳しく捜査する。
大阪医大によると、元講師は3~5月、同法で義務づけられた専門家による審査や、国への届け出を経ずに、同大の研究施設で40~80代のいずれも知人の男女4人から脂肪組織を採取して脂肪幹細胞を培養。うち研究者の40代女性1人に脂肪幹細胞を点滴投与したという。ほかの男性3人は研究者仲間で、元講師は同大の調査に「アンチエイジング目的で頼まれ、断れずにやってしまった」と説明したという。
幹細胞を点滴投与した場合、肺の血管が詰まる肺塞栓(そくせん)などが起きる可能性が指摘されている。大阪医大によると、脂肪幹細胞を投与された女性も脂肪組織を採取された3人も健康被害は確認されていないという。
5月に学内で内部通報があり、…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル