2022年3月、会議は白熱していた。
「だいたいやねー」
年配の社員が、今は亡き評論家の語り口を織り交ぜたプレゼンを披露する。勢いにおされた経営幹部は後ろにのけぞった。
魚肉練り製品の「カネテツデリカフーズ」(神戸市東灘区)。六甲アイランドにある本社で、新商品のアイデア出しが行われた。
ほぼシリーズ――。魚の練り物によって、まるで本物のような味や食感、見た目を再現した同社の看板商品であるフェイクかまぼこのことだ。14年の「ほぼカニ」以降、ホタテ、カキフライ、ウナギ、イクラなどを世に放ってきた。
「ほぼの乱獲コンテスト」と名付けられたこのときのプレゼンで、チーム「イカ野郎」の提案した商品が高評価を得た。
のちの「だいたいイカ」につながる。
しかし、なぜ「ほぼ」ではな…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル