田中ゑれ奈 机美鈴
私自身が更年期まっただ中で、ミドルエイジの性には当事者意識があります。同時に、今の若い世代と違って私たちの頃は情報が少なく、女性が性の知識を得ることを阻む空気があった。そんな時代を経験した皆さんが今、どういう性行動をされているのか気になっています。
性にまつわる書籍を数多く手がけるライター・編集者の三浦ゆえさんは、40、50代の女性に「性のリアル」を聞くインタビューシリーズに取り組んでいます。体も心も、若い頃とは変わってくるミドルエイジ女性の性愛について、三浦さんに聞きました。
募集に応じてくれるのは基本的にセックスをしたい人。一番多いのは結婚を継続しつつ、マッチングアプリなどを使って出会いを見つけている人です。新しい相手としてみて、「こうしてほしい、してほしくない」を初めて言えたという方がとても多い。いま楽しめているなら良かったと思いつつ、この年齢までそれすら言えずにセックスしてきたんだと思うと、苦い思いもあります。
自分がセックスをしたいかどうかわからないとか本当は手をつないでお話しするだけでいいんです、という方もいます。でも、その気持ちを相手に伝えられているかというと、やはり難しそう。するかしないかをずっと自分で選択してこられなかった人たちが、今になって急に決めるのは大変だと思います。
セックスで快感を覚えたことが一度もないという話もたくさん聞きました。本当はやり方次第で何歳でもセックスはできるはずですが、「このまま女性として終わってしまうのか」という焦燥感が、言葉の端々に出ている方も多いです。メディアを通して「セックスはいいもの」というイメージを共有していて、気持ちよくなれないのは女として何か足りないからだと思い込まされている。本当は相手の乱暴な行為や、コミュニケーション不足が原因かもしれないのに。
フルコースじゃないとセックスじゃない?
モラハラやDVに苦しむ人も…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル