8月20日深夜、Twitterで突如として「水道民営化」がトレンド入りした。
その理由は「パブリックコメント」(パブコメ)の締め切りだ。【BuzzFeed Japan/籏智 広太】
水道はこれまで公設公営が原則だったが、その運営の民営化を可能にする改正水道法が、昨年12月に成立。
年内に施行されるのを前に、厚生労働省が関連する省令や手引きに関する複数のパブコメを募集していたのだ。
Twitter上では反対や不安を述べる声が相次ぎ、パブコメの記入を呼びかける声も広がった。
ツイートは15万件を超え、サイトに繋がりにくくなる時間帯もあったほどだ。
命に関わるインフラということもあり、「水道民営化」には反対意見も根強い。
厚労省は水道法の改正理由を、人口減少に伴う水の需要の減少と施設の老朽化等に対応し、水道の基盤の強化を図るため、としている。
そのうえで同法では運営権を民間が持つ「コンセッション方式」(公設民営)方式を推奨。このほか自治体の広域連携も柱に掲げている。
法律内には「民営化」という言葉はなく、政府も「官民連携」であると強調している。とはいえ、事実上の「民営化」との指摘は相次いでおり、料金高騰や水質悪化、外国資本の参入を危惧する声は少なくない。
実際、諸外国では「再公営」の動きも出ている。たとえばフランス・パリなどでは民営化後に水道料金が上がり、再び公営に戻されたという例もある。
野党はこうした実例をもとに改正に反対をしていたが、与党や日本維新の会などの賛成多数で可決された。
そして、パブコメ締め切りの8月20日。Twitterには反対意見が相次いだ。
「生死に関わる」「絶対やめてほしい」「日本国民として見過ごせない」「インフラを殺すな」
20日朝から、パブコメの締め切りが同日までであることを知らせたり、反対の意見を呼びかけたりするツイートが次々とリツイートされ、広まったとみられる。夜にはトレンド入りをし、さらに拡散が広がった。
そもそもこの問題を「知らなかった」という人も多かった。一方で、「コンセッション方式」であることを強調しながら、これは「民営化ではない」という意見もあった。
この方式は現在、宮城県などの自治体が導入に向けて調査、検討を進めているという。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース