良永うめか 浅倉拓也
2年前に廃案になり、政府が今国会で成立をめざす入管難民法改正案に反対する市民や弁護士らが23日、東京、名古屋、大阪など各地で集会やデモを行った。名古屋・栄には約80人(主催者発表)が集まり、「仮放免者に在留資格を」などと書かれたプラカードを手に改正案の廃案を訴えた。
入管法改正案は、在留資格を失っても退去強制を拒む外国人を送還しやすくすることなどを目的に、2021年にも国会に提出された。だが、難民申請中でも送還が可能になることなどが問題とされた。同年3月には名古屋入管で収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題もあり、政府・与党が成立を断念し、廃案になった。
今回の法案も旧法案の骨格を維持している。デモ行進に参加した支援団体「START」副代表の篠﨑洸希さん(25)は、「外国人労働者や難民の個別の事情は考慮されず、無理やり帰らせるために一方的に入管の権限が強化されている」と指摘。「ウィシュマさんの件を総括しないままに権限強化の法案を作っている」とも述べ、真相究明と再発防止を求めた。(良永うめか、浅倉拓也)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル