松島研人
名古屋・栄の回転ずし店で2月、しょうゆ差しのつぎ口をくわえるような動作をし、動画をSNSに投稿したなどとして、威力業務妨害などの罪に問われた被告の男(21)の初公判が20日、名古屋地裁であった。被告は「(間違っているところは)何もないです」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、今年1月以降、回転ずし店で一部の利用客が迷惑行為を行い、その動画がSNSで拡散して炎上するなど社会問題になっていたと説明。被告らはこうした情勢を知りつつ、「しょうゆ差しを直接なめなければ大丈夫だろう」「動画を撮ったうえで、自分は口をつけていないと友人に明かしてウケを狙おう」などと考えたと指摘。動画が拡散したことで、店側はしょうゆ差しの中身を廃棄したり、店内の備品を消毒したりして、少なくとも57万円の損害が出たなどと述べた。
起訴状などによると、被告は他の男女2人と共謀して2月3日、名古屋市中区の回転ずしチェーン「くら寿司 名古屋栄店」で、卓上のしょうゆ差しのつぎ口に口を付けてしょうゆを飲んだような動作をし、その様子をスマートフォンで撮影してSNSに投稿。店の運営会社にクレーム対応などを強いて業務を妨害したとされる。
また、被告は昨年12月ごろ、少女(当時15)に「名古屋なら援助交際して稼げば生活できる」などと言って、東京都新宿区歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリア付近に呼び出し、今年3月までの間、愛知や福岡などのホテルに宿泊させたとして営利誘拐の罪にも問われている。
閉廷後、被告は取材に応じ、「たくさんの方にご迷惑をかけた。深く反省しています」と述べた。(松島研人)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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