「エエッ」「予約金は?」「そもそも不信感」試験延期に衝撃(産経新聞)

 来年度からの大学入学共通テストに導入予定だった英語の民間検定試験。文部科学省が1日、突然延期を発表したことに、高校現場では衝撃が走った。試験日程や会場が決まらないなど準備不足が指摘されていたこともあり、高校生や教員からは「振り回された」「ほっとした」などの声が上がった。

 「朝のニュースで流れたとたん、職員室内が『ええっ』とどよめいた」

 鹿児島県の県立高校の男性教諭(45)は、出勤直後に延期を知った。「嘘でしょ」とつぶやく教諭もいたといい、「昨日まで生徒に英検などの説明をしてきたのに」と動揺する。

 1日は受験に必要な「共通ID」申し込みの開始日だった。英語教育に力を入れる大阪府内の私立高校の英語教諭(55)は「きちんと準備をしてきたのにこんな結果になるとは…」と戸惑いを隠せない。

 一方、延期を評価する声もある。大手予備校の駿台予備校の担当者は「より良い制度設計のためにもやむを得ない」と話す。東京都立進学校の英語教諭(45)も、「延期を無駄にせず、授業研究を重ねなければ」と前向きにとらえる。

 受験予定だった高校2年生や保護者からも、賛否の声が上がっている。

 来年度の英検を予約した東京都内の私立高2年生(17)は、「勉強してきたことは無駄にならないけれど、受験準備をゼロから考え直している同級生もいる。英検の予約金の返金がどうなるのか知りたい」。大阪府内の私立高2年生の母親(49)は「娘も私も振り回された」と話しつつ、「全体の仕組みが決まらないのに話だけ進んでいるように見えた。まずはほっとした」と胸をなで下ろした。都内の私立高2年生の母親(53)も「そもそもの仕組みに不信感があった。見送りでよかった」と決定を歓迎した。

 これに対し、準備を進めてきた民間試験の実施団体は、突然の延期決定に動揺を隠せないようだ。

 英検などを運営する日本英語検定協会の担当者は、「今後、文科省から事情説明を受けて協議する必要がある。文科省には対象となる受験者が戸惑わないような対応を願うばかりだ」と求めた。「GTEC(ジーテック)」の試験会場の設置地域を10月31日に発表したばかりのベネッセコーポレーションも、「来年度の開始に向け準備を進めてきたので、非常に残念」とコメントを出した。

【関連記事】


Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment