蜷川大介
高知市内に風変わりな看板がある。目に入るのは夜。赤字のネオンが「カステラは」と照らすと、続いて1文字ずつ点灯されていく。「売」「っ」「て」「い」「ま」「せ」「ん」。真相を確かめようと、看板が立つ店を訪ねた。
店の会長である長﨑慧郎(けいろう)さん(75)は「うちの屋号が『長﨑屋』。どうしてもカステラが頭に思い浮かぶでしょ? だから、ジョークを看板にしたんです」。お店は中古車屋だった。
看板は高さ約12メートル、幅約6メートルで設置に1千万円かかったという。
95年、店の敷地の一部が区画整理区域となったのを機に、大看板を新設することにした。知り合いにも後押しされ、ジョークを「採用」することにした。
「カステラの看板の店」として有名になった。長﨑さんは10年ほど前から、店で車検をした客にカステラを無料で配っている。(蜷川大介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル