兵庫県稲美町の民家が全焼し、小学生の兄弟が死亡した火災で、現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕された同居の伯父が、「ガソリンを使って火を付けた」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
県警は24日深夜、無職松尾留与(とめよ)容疑者(51)を逮捕した。
捜査1課によると、逮捕容疑は19日午後11時半すぎ、住んでいた稲美町岡の木造2階建て住宅に火をつけて全焼させ、就寝中だった小学6年の松尾侑城(ゆうき)君(12)と弟で小学1年の真輝(まさき)君(7)を死亡させたというもの。容疑を認めているという。
現場の布団の燃えかすから油分が検出されていた。民家近くの倉庫から農機具用のガソリンの容器が見つかったことも新たに判明した。県警は、布団に容器のガソリンをまき、火を付けた可能性があるとみている。
不動産登記によると、松尾容疑者は火災現場の土地を2006年に相続した。
捜査関係者によると、死亡した侑城君と真輝君、その両親の計4人と同居を始めたのは数年前。ただ自宅内にこもりがちで、同居家族や近所と接する機会も少なかったという。
松尾容疑者を子どものころから知る近所の高齢男性は「優しくおとなしい子だった。18歳を過ぎると自治会の仕事を手伝ってくれたし、地域の行事にも参加していた」と振り返る。
一方で松尾容疑者は最近、兄弟の父親に「働きたくない。生活保護を受けたい」と話していたという。
捜査関係者によると、松尾容疑者は以前、大阪市内で生活保護を受けていた。県警は土地勘のある地域を重点的に捜し、24日に北区の扇町公園のベンチに座っていたのを見つけ、身柄を確保した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル