新屋絵理
新型コロナ対策で国が始めた「家賃支援給付金」や「持続化給付金」計約1500万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた経済産業省の元キャリア官僚2人の初公判が11日、東京地裁であり、2人は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は、詐取した金をギャンブルや交際相手に使ったと指摘した。
罪に問われたのは、同省の元産業資金課係長の桜井真被告(28)と元産業組織課員の新井雄太郎被告(28)。桜井被告は「様々な関係者を巻き込んだ。申し訳ない」と頭を下げた。
検察側は冒頭陳述などで、金銭トラブルになった相手との民事訴訟で、桜井被告が解決金200万円を支払う状況に追い込まれたのが「事件を起こした遠因」と説明。訴訟に関わっていた新井被告は、桜井被告から「お前のせいで敗訴しそうだ」と非難されて負い目を感じ、桜井被告に従うようになったと述べた。
使い道は交際相手や高級時計…逮捕直前には証拠隠滅も?
給付金をだまし取った方法について検察側は、桜井被告が入省前に設立したペーパーカンパニー2社の売り上げを前年より下がったように偽装したと指摘。詐取金の主な使い道は、桜井被告が交際相手に月150万円の小遣いを渡したり、約600万円の高級時計を買ったりしたと述べた。さらに、警視庁に逮捕される直前の今年6月ごろには「2人が証拠隠滅工作をした」と主張し、経産省の地下で電動ドリルで携帯電話を破壊して海に捨てたと説明した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル