新型コロナウイルス感染の一日も早い終息を願って8日夜、高知県の清流四万十川で、灯籠(とうろう)流しと花火大会が初めて開かれた。コロナの影響で観光面でかつてないダメージを受けた四万十市の屋形船を運航する「四万十川観光遊覧船連絡協議会」(岡村実会長)が企画した。
四万十川観光の復活と感染症で亡くなった人たちの鎮魂、コロナと向き合う医療従事者へのエールの気持ちを込めた。
気温が30度を超す猛暑の中、県内外から約100人が参加した。屋形船に乗り、四万十川の遊覧を体験した後、灯籠にそれぞれの願いや夢を託した。家族と来た高知市の幼稚園児、香川瑠依那ちゃん(3)は油性ペンを手に「コロナがなくなりますように」と書いた。岡村会長は「コロナでいつもの夏の風景とは違います。観光客のみなさんが四万十川に帰っていただく日が待ち遠しいです」と話した。
夕暮れとともに、赤や黄色、ピンクなどの250個の灯籠が四万十川に静かに浮かべられた。河原では約500発の花火が四万十の夜空に打ち上げられた。人々の願いを乗せた灯篭のほのかな明かりが四万十川を彩った。(笠原雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル