新型コロナウイルス禍で生活が立ちゆかなくなった人たちに無償で食品などを提供する配布会が10日、宇都宮市であった。NPO法人「フードバンクうつのみや」が、精米3キロやカップ麺など150セットを用意。今回は初めて生理用品も配った。
同法人によると、9日までに約130人が申し込み、学生が約75%、ひとり親世帯が約15%を占めた。事務局長の伊東由晃さん(40)は「仕送りが減り、バイト先の飲食店が時短や休業でつぶれた学生もいる。母国に戻れず行政支援対象外の外国人留学生は、民間を頼るしかない」。
「タオルなどで代用している人がいると聞き…」
生理用品は1時間で25人ほどに提供した。必要なのに買えない「生理の貧困」をめぐる切実な声を聞き、支援の必要性を改めて思い知ったという。「食品以外の日用品は扱ってこなかったが、タオルなどで代用している人がいると聞いて驚いた。何とかできないか、と協力団体や企業から段ボール18箱分の寄付を受けた」
同法人によると、コロナ禍に伴う生活困窮は深刻な状態が続く。昨年度に同法人が相談を受けて食品を提供した人は2450人で、前年度の約3倍に増えた。食品の寄付も、一昨年度の850キロから3トン超に跳ね上がった。
伊東さんは「家を追い出されたり、電気、ガス、水道を止められたり、コロナ禍で生活状況が悪化した人が増えた。1回の支援で立て直せない人も多く、今後も支援を続けていく必要性を感じている」と話した。(中村尚徳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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