医薬品として未承認の漢方薬を「新型コロナウイルスに効果がある」と説明して売ったとして、警視庁は26日、東京都中野区の「馬場香嶺堂(ばばこうれいどう)薬局」の経営者で薬剤師の宮本篤容疑者(68)=東京都墨田区=を医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の販売など)の疑いで書類送検し、発表した。調べに対し、「金もうけと人助けのために調合して作った」などと供述しているという。
生活環境課によると、容疑は昨年2~8月、埼玉、神奈川、福岡の3県の男女に対し、医薬品として未承認の漢方薬「双黄連内服(そうおうれんないふく)」や「清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)」を「新型コロナの抑制効果がある」と説明し、約520袋(約26万円)を売るなどしたというもの。中国で「新型コロナに有効」などとして一時騒がれたものだった。
また、この2種類のほか、10種類の未承認の漢方薬を陳列・貯蔵した疑いももたれており、計12種類の売り上げは昨年1~9月で約1万6700袋(約830万円)という。
警視庁の鑑定で、これらの漢方薬は生薬の比率が低かったり、全く含まれていなかったりしたことがわかった。カビが検出されたものもあったという。
同店は大正時代創業。宮本容疑者は3代目店主という。多くの漢方薬が並ぶ店頭の様子や、「心悩める人の駆け込み寺だよ!」「マニアの間で有名なお店」といった貼り紙、1袋500円の「ワンコイン漢方」などで評判になり、テレビのバラエティー番組でも紹介されたことがあるという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル