新型コロナウイルスの感染拡大で、政府による外出自粛の要請が長引き、「自粛」に従わない人を責めるような風潮が強まっている。10年にわたって「ファシズムの体験学習」に取り組んできた甲南大学の田野大輔教授(50)は、こうした動きも、「ファシズム」と無関係ではないとみる。どういうことなのか。
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たの・だいすけ 1970年生まれ。京都大学博士(文学)。専攻は歴史社会学、ドイツ現代史。2021年3月まで、ドイツ・ベルリンで研究中。著書に「ファシズムの教室」「愛と欲望のナチズム」など。
――新型コロナウイルスの感染者が発生した大学に脅迫電話をかけたり、県外ナンバーの車に傷をつけたりする「コロナ自警団」のような人たちが現れています。なぜだと思いますか。
「『自粛』要請に従っていないように見える人たちを非難する行動は、『権威への服従』がもたらす暴力の過激化という観点から説明できます。政府という大きな権威に従うことで、自らも小さな権力者となり、存分に力をふるうことに魅力を感じているのです。
みんなで力を合わせて危機を乗り切ろうとしている時に、従っていない人は和を乱して勝手な行動をとっているように見えます。『コロナ自警団』のような人たちは、異端者に正義の鉄槌(てっつい)を下すことで、普段なら抑えている攻撃衝動を発散しているわけです。ファシズムの根本的な特徴を体現しているといえます」
――ファシズムで…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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