首都圏とつながる東北新幹線が脱線の影響で復旧の見通しが立たず、東北の観光地では宿泊客らのキャンセルが相次いでいる。
仙台の奥座敷・秋保温泉(仙台市太白区)では、水道管の破裂や窓ガラスの損壊などで旅館が次々と臨時休業に追い込まれた。
「地震直後は東日本大震災以上だと思った」。当面の休業を決めた温泉街にあるホテルの担当者は、備品が散乱する客室やロビーの様子を見てそう感じたという。屋上の水道タンクも破損し、水が出ないという。「ただでさえ全国的な資材不足で、工事の見通しがたたない」と嘆く。
11年前の東日本大震災で建物に大きな被害があった「緑水亭」では、レストランの窓ガラスが割れ、水道管が損傷して館内が水浸しになったという。若女将の高橋知子さんは「命が残ったことに感謝しかない。東日本大震災の倍以上の被害を受けました」とツイッターに投稿した。
客室の一部に補修が必要なものの、通常営業を決めたホテル「蘭亭」では、新幹線の運休などで連休中の予約の半分ほどがキャンセルに。担当者は「3連休は満室で、やっと人が戻ると思ってたので痛い」。秋保温泉旅館組合の佐藤司事務局長(54)は「余震が一カ月続くという報道もあった。GWの予約状況まで響くのが一番の心配」と影響を懸念する。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル