障がいがあるバリスタ(コーヒーをいれる職人)がその腕前を競う大会がこのほど、東京都内であった。大会を機に技術をより高める意欲を喚起して、障がい者らのカフェでの雇用を増やすことなどが目的。主催者は「いつか、世界大会を開きたい」と意気込んでいる。
「チャレンジ・コーヒー・バリスタ」という名前で、日本サステイナブルコーヒー協会(本部・目黒区)が企画した。東京や静岡、茨城、岡山、広島の企業や特別支援学校のカフェスペースなどで働く11団体の知的障がい者ら約50人が参加した。
障害者雇用促進法は、全ての企業に障がい者の雇用を義務づけている。ただ法定雇用率(全従業員の2・3%)に届かない企業は半数を超える。厚生労働省によると、どんな仕事を任せれば良いのか分からないことなどが背景にあるとされ、単純作業を担うケースも目立つという。
こうした状態に問題意識を持ったのが、同協会理事長の川島良彰さん(66)。考えたのが、企業に社員向けのカフェを設けてもらい、障がい者に働いてもらうこと。丁寧な抽出作業が得意だったり、接客がうまかったりする人はいる。社員がドリップしたコーヒーを社内で出すことで、障がい者・健常者を問わず、社員同士の交流が生まれるといったメリットが、企業側にはあるという。
川島さんの助言を受け、実際に始めた企業もある。コールセンター事業を手がける「ベルシステム24」(本社・東京都港区)。2019年に障がい者がバリスタなどを務めるカフェを社内に作った。カフェでは会話が生まれ、障がい者と健常者の社員同士の相互理解につながったという。現在、同社は東京、北海道、福岡、沖縄の4カ所で社内カフェを開設。10人の障がい者がバリスタとして働く。同様の取り組みは日本航空などでもあり、今回の大会はこうした取り組みの延長線上にあるという。
大会にはもう一つの狙いもあ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル