「ゴールデンカムイ展」本拠地・札幌に上陸 ファンら「感無量」

 明治時代の北海道を舞台に、「不死身」の異名を持つ元兵士とアイヌ民族の少女が金塊の争奪戦を繰り広げる人気漫画「ゴールデンカムイ」の展覧会が28日、札幌市中央区百貨店丸井今井札幌本店大通館9階催事場で始まった。作者の野田サトルさんが札幌近郊の北広島市出身ということもあって、いわば本拠地での満を持しての開催。会場は朝から待ちに待ったファンらでにぎわった。

 「連載完結記念 ゴールデンカムイ展」は東京・京都・福岡の3会場で計28万人超が訪れた。新型コロナウイルス感染防止対策で、大型連休中のチケットは入場時間帯が決められた日時指定制になっている。そのため、開場の午前10時半に入場できるのは100人に限られていたが、1時間以上前から百貨店入り口に並ぶファンもいた。

 「いよいよ北海道で始まるということで感無量。札幌会場で新たに販売されるグッズを確実に手に入れたくて」。東京会場にも行ったという札幌市の30代女性は、午前8時45分に到着した。作品について「登場人物がそれぞれの生い立ちからくる個性をぶつけ合い、命をかけて頑張る姿が魅力的。アイヌ文化を繊細に、敬意を持って表現していることからも作者の真剣な思いが伝わってくる」と話した。

 道内の30代女性も「歴史やアイヌ文化など北海道の魅力を知るきっかけになり、人生を豊かにしてもらった作品。何度も来たい」。

 主催の札幌丸井三越によると、27日までに約1万3千枚のチケットが売れ、28、29日分はすでに完売した。大型連休中も半分近く埋まっているという。

 「ゴールデンカムイ」は集英社「週刊ヤングジャンプ」で8年近くにわたり連載され、昨年4月に完結した。元兵士で「不死身」の異名を持つ杉元佐一とアイヌ民族の少女アシ●(小文字のリ)パが、北海道のどこかに隠されたという金塊を巡り、大日本帝国陸軍第7師団や新撰組の残党らと争奪戦を繰り広げる。

 展覧会はストーリーに沿って「金塊争奪戦の開幕」「24人の刺青囚人」などのゾーンに分かれ、計120点を超すイラストや民具などの関連資料を展示している。杉元の軍帽や敵対する鶴見篤四郎の軍服など、登場人物が身につけていた品々のモデル資料も並ぶ。

 5月21日まで。一般・大学生1800円、中・高校生1400円、小学生900円。(岡田昇)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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