日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(66)が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、金融商品取引法違反罪の共犯に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(64)の公判が12日、東京地裁であった。志賀俊之・元COO(最高執行責任者)が証人として出廷し、「ゴーンから『報酬を開示せずに受け取る方法を考えろ』と強く指示された」と証言した。指示に従ったことについて「本当に深く反省している。私の人生の中で痛恨の汚点だ」とも述べた。
志賀氏はゴーン元会長の右腕として長年経営を支えた最高幹部。法廷では、1億円以上の役員報酬を有価証券報告書に個別開示する制度の導入を受けた元会長とのやり取りを詳述した。
志賀氏によると、元会長は2011年2月、本来の報酬の一部を開示せずに支払う方法を検討するよう志賀氏に指示。「椅子から立ち上がり、『日産に来た時に約束した報酬はもっと多い』と語気を強めた」という。志賀氏は「間違いなく開示制度の趣旨に反するので、法的リスクがあると感じた」と振り返り、「できないと言うべきだった」と述べた。
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志賀氏は小枝至・元相談役と協…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル