6月20日は父の日。家族が日頃の感謝を伝える日だが、「母の日」に比べ「冷遇」されているという調査もある。こうした中、「自分にご褒美を」とお父さん自身に消費を促す動きが百貨店などで広がる。「セルフ父の日」の試みはどこまで浸透するのか。
16日午後7時前。東京・銀座の百貨店「松屋銀座」の酒蔵の直営店で、会社帰りの千葉県の会社員男性(57)は日本酒の瓶3本を購入した。1本は自分の父親に、あとの2本は「自分用」だ。同居する20代の娘と息子からは毎年、父の日の贈り物はもらえない。「もうあきらめている。せっかくなので、父にあげるついでに自分も楽しもうと」とほほえんだ。
東京・霞が関で働く横浜市の会社員男性(70)は、今年はじめて「自分買い」をするつもりだ。同僚の男性と父の日の「自分へのギフト」の話題で盛り上がることがあったことがきっかけだ。
これまで使ってきた通勤用のバッグに代えて重たいノートパソコンを持ち運びやすいリュックをネット通販で購入することを考えている。「コロナで在宅時間が長いから、ゆっくり商品を見られます。ちょっとはぜいたくしたいですよね」
松屋銀座に入る鋳物メーカー「能作」の直営店の担当者によると、3年ほど前から6月の父の日の時期に男性客の「自分買い」が目立つようになった。コロナ下では、自宅での飲酒に使えるタンブラーやぐい飲みの人気が特に高いという。
「家族と好きをシェアする『セルフ父の日』」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル