「センター試験のよう」だった署名偽造作業 引き金となったある思惑

 「大学受験センター試験のように100人くらいが長机で黙々と(署名用紙に)書いていた」

 愛知県大村秀章知事に対するリコール署名偽造事件。偽造に関わったとして地方自治法違反(署名偽造)の罪に問われた広告関連会社元社長の山口彬被告(38)の初公判で、検察側は関係者らの供述の概要を明らかにした。

 佐賀市内でアルバイトらによる偽造作業を初めて見た山口被告の当時の部下は、その様子を入試にたとえ、「異様な光景」と供述していた。

 この日、検察側が提出した証拠は、調書や押収したUSBメモリーの内容など約180点。リコール運動団体会長の美容外科経営・高須克弥氏や認否を留保している田中孝博被告(60)の調書はなかった。

 検察側は、高須氏と関係を築き商機拡大を目指した山口被告と、約86万筆が必要なのに、提出期限が迫っても6千筆しか集まらなかった孝博被告の思惑が一致し、事件が起きたという構図を描いた。

 冒頭陳述や供述調書によると、山口被告は名古屋市の広告関連会社を経営していた昨年6月、「無償でポスティングを手伝いたい」とリコール団体に申し入れ、運動に参加。昨年10月、「相談がある」と孝博被告から電話があり、「なるべく遠いところで人集めできないか。九州で署名を代筆できないか」と言われた。

 「署名は自筆でないと駄目ですよね」

 断ろうとしたが、孝博被告は…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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