三井新、栗林史子
コロナ5類移行から3カ月。中小企業の倒産が、コロナ下を上回る勢いだ。中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済も本格化しており、今後さらに倒産が増える可能性もある。
ゼロゼロ融資を巡っては、倒産を大幅に抑える効果の一方、もともと稼ぐ力のない企業の「延命」につながった可能性も指摘されていた。一方、物価高や生活スタイルの変化など、営業努力だけでは乗り切れない現実も。今後、どんな形の支援が必要なのか。
営業努力続けても苦しい 「できればもう少し……」
アパレル衣料品の製造などを手がける「小倉メリヤス製造所」(東京都墨田区)は、20年3月と6月の2回、日本政策金融公庫から「ゼロゼロ融資」を使い、5千万円ずつ計1億円を借り入れた。
中国でコロナウイルスの感染が広がり始めた2月ごろから、中国の製造拠点の工場が操業を停止。最初の緊急事態宣言が出た4月には、得意先のアパレル大手の営業が事実上止まり、全くといっていいほど発注が来なくなった。「先行きに不安しかない時期、無利子無担保で借りられて、とてもありがたかった。現金が手元にあることは心の支えになった」と小倉大典社長(46)。
営業努力も続けた。取引のあった大手だけでなく、個人の注文も受けるように。「洋服以外でも『縫える物』ならご相談を」。声かけをするうち、注文は少しずつ増えた。
それでも、21、22年の10月期決算では、売り上げがコロナ前の約25%減。仕入れ資金確保のため、ゼロゼロ融資以外に、民間の複数の金融機関からもコロナ関連の融資を受けた。
もともと後継者不足に悩んで…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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