「ツレうつ」作者がPTAで遭遇 「生きづらさ」処方箋

 夫(ツレ)を突然襲ったうつ病に夫婦で向き合った経験を描いた漫画「ツレがうつになりまして。」(幻冬舎)で知られる細川貂々(てんてん)さん。最新作は小学校のPTAを舞台にした「アタックPTA」(朝日新聞出版)だ。そのもとになったのは自身のPTA活動の体験。3年間にわたった活動の中で、はっとさせられる言葉に出合ったという。その言葉は、貂々さんがずっと感じてきた「生きづらさ」を解くヒントを与えてくれるものだった。

拡大する宝塚大劇場前の「花のみち」で。細川貂々さんは「宝塚市大使」、「ツレ」の望月昭さんは市教育委員を務めている=兵庫県宝塚市、滝沢美穂子撮影

 「ツレうつ」がベストセラーになったのは2006年。その後、ツレは回復し、08年には長男が誕生。11年に大好きな宝塚歌劇の本拠地、兵庫県宝塚市に一家で居を移した。

 仕事に子育てに忙しい暮らしのなかで、17年に長男が通う小学校のPTA本部役員に立候補した。長男のクラスが学級崩壊に直面し、学校の中の様子を知りたいと思ったからだった。書記や副会長を務め、「朝9時に学校に行って、時にはお昼も食べずに夕方5時まで。でも、ああでもないこうでもないって、たいがいまとまらない」というPTA活動は3年間に及んだ。

 2年目のある日の会合で、欠席した役員の評判を聞いた。「こういう嫌なことを言う人なんだよ、みたいな」。やり玉に挙げられた役員とは付き合いが深くなかった。一方、評判を口にした役員は、日頃から信頼する人だった。言葉を真に受けた。

 やがて、批判された役員と仕事…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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