橋本幸雄
東北6県のテレビ朝日系列6局(ABA青森朝日放送、IAT岩手朝日テレビ、khb東日本放送、AAB秋田朝日放送、YTS山形テレビ、KFB福島放送)が、共同で各局の番組をネット配信するサービスを始める。ネットでの動画配信が急拡大する中、地方局がタッグを組んで配信し、テレビ視聴者以外のファン層の拡大を図る。
22日午前10時から始める新サービスは「東北総合ポータル『topo(トポ)』」。トポは「東北」と、英語で入り口を意味する「ポータル」を組み合わせた造語。同じ地域ブロックの全系列局が共同配信する試みは全国初という。
当初は各局が放送した情報番組のラーメン特集や、鉄道による旅番組、バラエティー番組などを見逃し配信する形でスタート。今後、温泉や酒など地域の特色をアピールする番組も配信し、スポーツのライブ配信も行う。将来はトポ向けに制作・配信した番組を後でテレビで放送することもめざす。
動画配信の拡大で「テレビ離れ」が続き、地方局でもネット発信の必要性が高まっていたが、単独での配信ではコンテンツの量や知名度が課題だった。そうしたなか、khbが東北のテレ朝系列局に呼びかける形で共同サイトを検討してきた。14日に都内で記者会見したkhbの藤ノ木正哉社長は「東北全体でサイトをつくった方がより多くの人に見てもらえると考え、各局にも賛成していただいた」と語った。また、「コンテンツをテレビを見ている人以外にも届けたい。そして、見ていただいた方にもう一度テレビに回帰していただきたい。私たちのファンを大きく広げたい」と話した。
無料会員は一部コンテンツを視聴でき、月額会員(月550円)は全コンテンツを視聴できる。会員を増やすなかでサービスを拡充し、各局の放送エリア外でのファンの拡大、テレビ放送以外での収益基盤の強化を図る。藤ノ木社長は「東北の各局は、地域の祭りなど全国でも見てほしい番組を多く放送している。そうした番組も全国に発信していきたい」と語った。(橋本幸雄)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル