「トラが子ブタを育てて鬱病から回復」の写真はデマ ⇒ タイの動物園で禁止された見世物だった(ハフポスト日本版)

心が打たれる感動的な話としてSNSで拡散しているエピソードが、実際にはデマ情報だった。感動的なニュースどころか、動物虐待であることが明らかになっているので拡散しないように注意して欲しい。(ハフポスト日本版・安藤健二)

2020年1月までタイの動物園で実施されていた見世物だった

日本のTwitter上で10月11日、「早産で赤ちゃんを失った虎のお母さんが鬱病になって健康を害したので、子豚に虎の布を着せて、虎に育てさせたところ、虎は元気になった」という投稿が、写真付きで拡散。1日で数千件もリツイートされた。 種族を超えた愛情に、「ほっこりする」「感動的なストーリー」と反響が広がっているが、先ほどのストーリーは事実ではなかった。 これはタイのシーラチャ・タイガー動物園の定番アトラクション。トラの檻に子ブタを入れる「ベビーシッタータイガー」というものだったが、1月で終了している。 現地の英語ニュース「タイ・レジデンツ」によると、ショーの様子を伝える動画がネット上で広まったことで批判が集まり、1月26日に視察に入った動物保護当局の命令でショーは「残酷だ」として禁止され、子ブタ達は養豚場に移されたという。

2006年にもデマと指摘されていた

冒頭のデマ情報が広まった歴史は古い。ファクトチェックをするアメリカのサイト「スノープス」では2006年6月1日、全く同じデマについて指摘している。 当時すでに「カリフォルニア州の動物園で、トラの3つ子の赤ちゃんが早産で出産直後に死亡。お母さんのトラが欝病になったが、同様のトラの赤ちゃんがいないため、ブタの赤ちゃんを与えた」という情報が広まっていたという。 スノープスでは「よくあることだが、説明のない変わった写真を見た誰かが、自分の妄想を書いたのでは?」と推測していた。

ハフポスト日本版・安藤健二

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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