例えるなら、その音は、打ち上げ花火を地中に打ち込んだような音だった。
「ドーーン!」
2月1日午前2時ごろ、山崎征弘さん(77)は、そんなくぐもった衝撃音で目を覚ました。
地震だと思い、テレビに向かったが、電源が付かなかった。停電だ。暗闇のなか、なんとか懐中電灯を見つけ、恐る恐る玄関を出た。
街灯は消え、外も真っ暗だった。空は雲に覆われ、月明かりもなかった。
暗闇で何が起きているのか分からない。妻には自宅に残るよう伝えた。
懐中電灯の光に照らされて、電線が地面まで垂れ下がっているのが見えた。周囲を見回すと、30メートルほど先にあるはずの、いつも目にする電柱がないことに気づいた。
「何が起きたのか」。電柱が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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