「バスが遅い」 乗客から苦情受けても「40キロルール」徹底の理由

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板倉大地 榎本瑞希

 「朝の時間は貴重なんだよ!」

 通勤客らで混雑する北九州市の路線バス。ある運転手は、降車する客からこんな言葉を投げつけられた。

 料金を支払うIC読み取り機に、わざと大きな音を立ててカードをたたき付ける客もいた。

 こんなことが目立つようになったのは、2021年夏ごろからという。乗客がいら立つ理由を、運転手はこう考えている。

 「バスをゆっくり走らせ過ぎているからだ」

 「西鉄バス北九州」は、北九州市内で44の一般路線を運行する。21年夏に起きた死亡事故をきっかけに、バスを「ゆっくり」走らせる社内ルールを定めた。「たとえ制限速度が40キロ超の道路でも、原則40キロ以下で走行する」というものだ。

 社内ルールとして、バスの運行速度を一律に定めているのは、全国でも珍しい。東京都営バスや近鉄バスといった大手バス事業者も「聞いたことがない」という。

 北九州市内のバス路線はもと…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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