「パワハラ」訴えたウクライナ人女性、元勤務先と和解 奈良地裁

渡辺七海

 上司からのパワーハラスメントが原因でうつ状態になったのに対策を講じなかったとして、奈良県内のウクライナ人女性(27)が東京都内の物資輸送会社に550万円の損害賠償を求めた訴訟が、奈良地裁で和解した。双方によると、会社側が解決金を支払うことで合意したという。和解は10月31日付。

 訴状によると、女性は2018年8月から、同社の奈良市内にある事業所で契約社員として勤務。20年1月ごろから上司の男性課長によるパワハラが始まり、理不尽な叱責(しっせき)を受けたり、「野良犬」「早く帰りや、ウクライナ」といった暴言を浴びせられたりしたという。女性は21年5月、うつ状態と診断された。

 また、今年の4月にはロシアのウクライナ侵攻を話題にし、女性にも聞こえるような声で、他の従業員と「(侵攻は)ウクライナも悪い」などと発言していたとも主張していた。

 女性は7月末に雇用契約が満了し、更新されなかった。現在は就職活動中という。

 同社の担当者は取材に対し「両者が納得する形での和解となって良かった」と話した。(渡辺七海)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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