「ビビってた?」 見つけた彼氏の一面 お台場の観覧車、最後の年末

横山輝

 レインボーブリッジ東京タワー東京スカイツリー……。高度が上がるにつれて、東京の名所が次々と視界に入ってくる。

 都内有数のデートスポット・お台場の複合施設「パレットタウン」。1周約16分間の大観覧車は、最高地点が地上から約115メートルになる。

 「おぉ~、高い高い!」三重県の大学に通う20歳の男女のカップル。大観覧車の中でも人気が高い、床が透明の「シースルーゴンドラ」に乗った。「余裕って言ってたけど、すごいビビってたよね?」と顔色をうかがう彼女。「いや、べつに?」と強がる彼。

 交際を始めて5カ月。今回が初めての旅行だった。お台場を選んだのは「東京の象徴のような場所だから」。彼女は彼を「かわいいところもあるんだな。まだ、お互いに知らないところも多いから」。大観覧車の中で見つけた恋人の新たな一面を喜んだ。

 大観覧車を含むお台場の複合施設は、1999年の開業から23回目となる今年が最後の年の瀬となる。各施設が年末から順次営業を終え、大観覧車は来夏まで。一つの時代が終わる。

 お台場は、人口や産業の分散化を目的に都が進めた「臨海部副都心基本開発構想」の一角だ。レインボーブリッジが93年、ゆりかもめが95年、球体の展望室が特徴のフジテレビは97年。大観覧車は約2100万人、「パレットタウン」は計4億人を集めた。

 来年3月で営業を終えるタウン内の商業施設「ヴィーナスフォート」。社会人の彼(22)と学生の彼女(21)は、お互いのプレゼントにネックレスとトレーナーを買った。

 今年最後のデート。「来年もよろしく」とほほえみ合った二人は、またお台場に来たいという。複合施設の跡地には、プロバスケットボールの試合会場にもなる多目的アリーナの建設などが予定されている。

 東京は常に変化を続けている。(横山輝)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment