「ビルがお墓に見える」90歳の被爆者が今体験を語る理由…“物言わぬ証人”被爆建物と共に【広島発】(FNNプライムオンライン)

これまで語らなかった被爆体験を語り始めた90歳の被爆者。彼女が思いを託したのは、被爆建物だった。 【画像】100年以上前に造られた広島に残る最大級の被爆建物 広島市安佐南区に住む切明千枝子さん(90)。
切明さんは、今、「平和が脅かされている」と感じている。 被爆者・切明千枝子さん:
なんとなく肌触りというか空気というか、それがとても戦前に似てきたような気がして…。黙ってしまったら、同級生や下級生たちが無残な死に方をして死んでしまったことが、また再び起きるんじゃないかなという。あー、やっぱりこれは話しておかなきゃいけないんだわと思って

鮮明に残る75年前の記憶 「たくさんの人が悲鳴上げながら…」

ずっと忘れたいと思っていた75年前の記憶。
それは、まるで昨日のことのように鮮明… 被爆者・切明千枝子さん:
私が被爆したのはこの辺です 切明さんは、爆心地から1.9km、広島市南区の比治山橋のそばで被爆した。 あの日、15歳の切明さんは学徒動員先の作業で足を痛め、1人で病院へ向かっていた。 被爆者・切明千枝子さん:
ここ渡るのに、本当に長いんですよ、橋が。それで、足は痛いですしね 被爆者・切明千枝子さん:
少し影があったの、建物の軒下に入って、汗を拭こうと思って入った瞬間だったですね、ぴかっと光ったのは 地面にたたきつけられ、気を失った切明さん。気が付いた時は、倉庫の下敷きになっていた。
やっとの思いで抜け出し、目にしたのは、さっきまでとは全く違う世界だった。 被爆者・切明千枝子さん:
カンカン照りだったのに、あたりが真っ暗なの。ひょっと橋の向こう側を見たんですよ。そしたら、対岸が真っ黒い煙がわっと立って、大火事になっているの 被爆者・切明千枝子さん:
もう、たくさんの人が「ぎゃーっ」て、悲鳴を上げながら逃げてくるんですよ。熱いから、たまりかねて飛び込むんですよ、川へ 被爆者・切明千枝子さん:
川の中を見たら人がいっぱい…。溺れている人もいれば、生きているか死んでいるか分からないけど、流れて行ってしまう人もいればね。それは地獄でございましたね

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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