学校現場での不合理な校則やルールをなくすことなどを目指してきた、有志の集まり「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」が2019年8月23日、都内で会見を開いた。 この日、同プロジェクトは、生徒を理不尽なルールに従って指導する「ブラック校則」をなくそうと募ってきた署名6万334筆を、柴山昌彦文科相宛に提出。柴山大臣や文科省に対しては、学校での「校則」「指導」に関する実態調査や、各教委や学校に、校則を見直して適切な運用がされるよう「通知」を出すことを求めた。
■「管理教育が厳しかったとされる1980年代と比べてどんどん悪化しているのが実態」
プロジェクトは17年、生まれつき髪の毛が茶色いにもかかわらず、教員から黒染めをするよう強要され、精神的苦痛を受けて不登校になった大阪府立高校の女子生徒が府を相手に訴訟を起こしたという報道を受けて発足した。署名は2017年12月14日から19年8月22日までの間、署名サイトChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)で募り、終了翌日の23日、要望書とともに文部科学省の担当者に提出した。
発起人の1人である、NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子さんは会見で、提出後の文科省担当者の反応に言及。「非常に重要に考えているということで、社会情勢の変化や子どもたちの変化に合わせて当然、校則も変わっていくものであると考えているので、文部科学省の方としても力を入れていきたいことを大臣にも伝えると聞いております」としつつも、「あわせておっしゃっていたのは、文部科学省で問題だと思っていても現場に伝わりづらいと。通達のようなものを出せば変わるかというと、中々そういうことでもないということで、非常に現場の先生方にしていただくということでは苦労されていると感じました」と振り返った。
同プロジェクトで「問題校則(いわゆるブラック校則)および不適切指導に関する調査」を担当した評論家の荻上チキさんは、「管理教育が厳しかったとされる1980年代と比べてどんどん悪化しているのが実態」などと指摘したうえで、「中学校のころにスカートの長さが決められていると答えた生徒は、30年前だと23.7パーセントだったが、現在の10代だと56.96パーセント。下着の色が決められているという回答は、30代に学生生活を過ごした方は1.9パーセントだったが、現在の10代の方に聞くと15.82パーセント」と調査結果に触れた。
校則については、「校則そのものを全否定するつもりはありません」と強調。「私たちは校則をゼロにすれば完璧な教育空間が達成するというエビデンスを持っていないので、1個1個さまざまに、議論の場を設けていきましょうと呼び掛けています」と言及。「プロジェクトチームとしては(署名提出をもって)チームという形ではなくなるが、有志の方やメンバーで各政党にデータを持っていくなどをする。国会で具体的な校則指導の実態について質問してもらう。社会から理不尽な校則をなくしていくことがゴールなので終わりがない」と先を見据えた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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