「プライドを持った偉大な百姓」 農民作家の山下惣一さん死去

 「農民作家」として知られる山下惣一(やました・そういち)さんが10日、肺がんのため佐賀県唐津市内の病院で死去した。86歳だった。通夜は13日午後6時、葬儀は14日午後1時から唐津市山本648の1のJAからつ山本斎場で営まれる。喪主は長男正人さん。自宅は佐賀県唐津市湊町931。後日、福岡市内でお別れの会を開く予定。

 1936年、唐津市で農家の長男に生まれた。家族に反対されて進学をあきらめ、中学卒業後、農家を継いだ。

 ミカン栽培などに励む一方、太宰治らの著書に刺激されて執筆活動を始め、自らの農業体験を小説やルポで発表。特に、コメの減反政策や農業近代化、農作物の輸入自由化などによる「農業の衰退」「村の崩壊」に現役の農家の視点から異議を唱え続けた。

 70年、「海鳴り」で農民文学賞。79年の地上文学賞「減反神社」は、直木賞候補にも挙がった。

 ほかに「野に誌す」(73年)「ひこばえの歌」(81年)「身土不二の探究」(98年)「農から見た日本―ある農民作家の遺書」(04年)などの著書がある。

 日本農民文学会所属。作家の故・井上ひさしさんが山形県に開校した「生活者大学校」の教頭、農民連合・九州共同代表などを務めた。

 山下さんは昨年2月に発行さ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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