「核攻撃が良いアイデアだと思うときは、広島のことを考えて」――。福岡県田川市で避難生活を送るウクライナ人女性が、広島平和記念資料館の展示をロシア語で紹介する動画を公開している。ロシアが核による脅しを加えるなか、女性は「戦争を支持する人にこそ被害の実態を伝えたい」と語る。
動画をつくったのはカテリーナ・チャプリンシカさん(31)。ウクライナ中西部ジトーミルで娘(4)を育てながら美容学校の講師をしていた。ロシアがウクライナに侵攻した直後の2022年3月、田川市で暮らす姉を頼り、夫を残して来日。現在は市内のイチゴ農園で働く。
昨秋、姉一家と広島に足を運んだ。原子爆弾を落とされた街と知っていて「一度は訪れたい」と思っていたという。
ウクライナでは日本の原爆被害を歴史の教科書で学ぶ。被害の大きさは理解しているつもりだった。だが、3歳の男の子を亡くした父親が庭先から掘り起こした「伸ちゃんの三輪車」など、資料館で直接目にした遺品の展示に「感情を揺さぶられ、見るのもつらくなった」。そして、こうした核兵器の実態を伝えたいと思ったという。
チャプリンシカさんは母国が侵攻された後、ロシアで暮らす幼なじみに「戦争に反対してほしい」と連絡したことがある。だが、返ってきた答えは「プーチンを信じている」。がくぜんとした。
広島の被害を知ってもらうこ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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