伊藤未来 太田悠斗 西岡矩毅
雨が降る福岡地裁前。同性婚が認められないことに「違憲状態」の判決が出た後、原告団は「国会、早よ立法せんね!」と書かれた横断幕を掲げた。
原告のこうすけさんとまさひろさんカップル(福岡市)と、こうぞうさんとゆうたさんカップル(熊本市)は、それぞれ1本の傘に入って取材に応じた。4人の左薬指には、指輪が光っていた。
まさひろさんは「違憲状態と言ってもらえて、とてもホッとしています」。こうすけさんは「国会で議論がされていない状態に、もっと力強く働きかけてほしかったな」とこぼした。
ゆうたさんは「結婚することで得られる利益というものを同性愛者が得られていないということを裁判所は認識してくださった」と語った。こうぞうさんも「違憲状態」の判決に安堵(あんど)したというが、「もっと踏み込むことができたんじゃないかという気持ちを拭うことはできなかった」とつぶやいた。
判決を傍聴した筑紫女学園大4年の賀川眞子さん(21)は、ゼミの同級生2人と原告団の横断幕を見守り、「私たちにとって、結婚の形が変わる瞬間に立ち会えた」と話した。
15年付き合っているというパートナーとともに東京から訪れ、判決を傍聴した戸籍上女性の40代は、「『立法府は』という表現が引っかかった」という。「裁判所が『自分の仕事じゃない』と言っているみたいだった」と話した。
佐賀県の性的少数者の支援団体で共同代表を務める小林誠さん(56)も、判決を傍聴した。パートナーの水野重喜さん(38)とともに福岡地裁に来たが、「一緒に『違憲』の判決を聞きたかった。判断から逃げているようですっきりしない」と語った。(伊藤未来、太田悠斗、西岡矩毅)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル