低所得で身寄りの少ない高齢者ら「住宅弱者」をどのように救済するか。公営住宅の保証人確保の規定を廃止して誰もが入りやすい住まいをめざす自治体が増えつつある。家賃滞納の抑止効果を重く見て規定を存続する自治体でも、模索が続く。
<公営住宅>自治体が国の補助で建て、所得の低い人向けに低額で賃貸する住宅。これまで、ほとんどの自治体が入居者に保証人(入居者の支払い能力に関わらず家賃の請求を拒めない連帯保証人を含む)の確保を求めてきた。
「このままだとホームレスになってしまうと思い詰めました」
滋賀県高島市の男性(69)は、昨秋、市営住宅の保証人が見つからず、途方に暮れた心境をそう振り返る。
拡大する保証人を見つけるのに苦労して、昨年末にようやく市営住宅に入居した男性=2020年1月7日、滋賀県高島市、阪田隼人撮影
離婚して数年前から賃貸住宅で暮らしていた。60歳の定年後は主に年金収入が頼り。貯金も底をつき、昨年以降月5万円の家賃の支払いが厳しくなった。一時は電気も止められた。
昨年夏、家賃が1万円台の市営住宅に応募し、入居が決まった。だが保証人2人が必要と市職員に言われて頭を抱えた。両親はすでに他界。1人は兄が引き受けてくれたが、もう1人は親類や友人に頼んでも断られ続け、どうしても見つけられなかった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル