新型コロナの感染拡大が進む中で迎えた2021年、服を着ることの意味や創造の重要性とは? マメ・クロゴウチのデザイナー、黒河内真衣子さんと、ファッションにも造詣(ぞうけい)が深い作家の朝吹真理子さんが語り合った。2人は「マメちゃん」「真理ちゃん」と呼び合う友人同士でもある。
拡大する
シャンプー変え、薬味を食べた
黒河内 コロナ下ではどんなファッションを?
朝吹 いつもとあまり変わらなかった。20代のころは、冷えとかあまり気にしてなくて、へそ出しとか平気でしていたけれど、いまはちょっとできないなあ。数年前から、気持ち良い素材やリラックスできる服を選ぶようになっていたから、家で着る服に大きな変化はなかったかもしれない。感染症が流行(はや)ってからの一番の変化は、ファッションより香りでした。
黒河内 真理ちゃんの小説にも香りの描写がたくさんあるよね。
朝吹 昨春、外出自粛で人に会えなくなった時に、それまで家では香水をつけなかったのに、とにかく香りに飢えていて、新しい香水を探したりシャンプーを変えたりしました。それまでは、街を歩くと良かれあしかれ人の生活のにおい、体臭や、料理屋のにおいが道にあふれていたのに、一気に何のにおいもしなくなった。仲良しの友達のにおいもなくなって、寂しかったです。香りをとり入れて外部とつながりたい、と願うような気持ちで色々とつけていました。みょうがや大葉、香りをお守りみたいに思ってお薬味も狂ったように食べていた。マメちゃんは?
黒河内 私は家でもちゃんと着替えて化粧をして、ジュエリーもつけて。真理ちゃんの香りと同様に、その装いになると家の中でも外とつながっている感覚があった。
朝吹 マメちゃんはちょうど(21年春夏の)新作を作っている最中だったね。褪(あ)せたカーテンをインスピレーションにした、美しい生地ができた時に写真を見せてもらった。
拡大する
■カーテンを体に巻き…
【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment