兵庫県警機動隊でパワハラを受けたことが原因で、息子は自死した――。両親がそう訴え、県に約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、神戸地裁であった。久保井恵子裁判長は「指導の域を超えたパワハラ行為」があったと認め、県に100万円の賠償を命じた。一方、自死との因果関係は認めなかった。
判決によると、機動隊の巡査だった木戸大地さん(当時24)は2015年に自死する数カ月前、機動隊の先輩巡査長(当時)から記載すべき内容や期間を明確にしないまま「ミス一覧表」の作成を命じられたり、「ボケ木戸」と書かれたふせんを書類に貼られたりした。また、技能試験で同僚に答えを教えたとして「カンニングしたやろ」などと問い詰められた。
判決は、こうした巡査長の行為について「暴言や嫌がらせと評価されるような不適切なもの」「ことさら木戸さんに厳しく対応していた」とし、パワハラ行為にあたると認めた。ただ、自死に追い込むほど強い精神的負荷を与えたとはいえないとし、巡査長は自死を予想できなかったと判断した。
別の上司がスクワットを指示したり、実家のタマネギの収穫を手伝わせたりした行為について、パワハラだとする原告側の主張を退けた。
県警の福田充宏・監察官室長は「判決内容を検討し、関係機関と協議のうえ今後の対応を決めたい」とのコメントを出した。(黒田早織、岩本修弥)
判決後、遺族は会見を開き、無念な気持ちを語りました。
■遺族は控訴の方針…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル