全国各地で受け継がれる「珍味」。なかでも異彩を放つのが、北海道石狩市の「ルッツ」だ。赤みを帯びたソーセージのような姿をした海洋生物で、大しけの日に浜へと打ち上げられる。地元ではそれを拾い集めて、刺し身や三升漬けにして食べる。いまだナゾ多きこのルッツ、最近になってある身近な生物に近いことがわかったという。
新千歳空港から車で2時間半。日本海に面した石狩市浜益区は、ルッツの名産地だ。
「この辺りではね、ルッツが浜に打ち上がることを『ルッツが寄る』って言うんですよ」。地元で水産物直売所を営む植村牧子さん(65)が教えてくれた。
ルッツという呼び名は、一説には「ミミズに似る」という意味のアイヌ語「ルッチ」が由来とされる。ナマコのような姿の生物だが、体の表面には突起がなく、ツルツルとしている。
ルッツがたくさん漂着するのは、海が大しけになった時だ。
埼玉や神奈川からも「売ってほしい」
「ルッツが寄ると、地区の人たちの間で、お互いに電話をして知らせ合うんです」と植村さん。浜でルッツを拾い集め、バケツや網袋などに入れて持ち帰るという。
食べ方は様々。タレに漬けて…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル