岸田文雄首相が4日、来年秋の健康保険証の廃止方針を当面維持し、「資格確認書」の有効期限を延ばす考えを示したことに、野党からは反発の声が上がった。立憲民主党は、この秋にも召集される臨時国会に廃止延期法案を提出するとしており、政府への追及をさらに強める構えだ。
「メンツを優先させて、余計に手間と経費がかかる政策を選択した。一層の混乱を招くことを危惧している」
立憲民主党の泉健太代表は4日の会見で、こう首相の方針を批判した。廃止を盛り込んだマイナンバー法などの改正法は、先の通常国会で成立したばかり。立憲は議員立法で廃止延期法案を準備しており、泉氏は「(政府が)提案に従うのが最も国民にとっての幸福だ」と指摘した。
さらに泉氏は、首相が先月から全国行脚に出向き、現場の声を聞く姿勢を強調していることについて、「『資格確認書を出してください』と言われたとは思えない。現場の声を聞いたことが、単に方針を変えない理由や言い訳になっている」と皮肉った。
共産党の小池晃書記局長は会見で、報道各社の世論調査で保険証廃止の延期や撤回を求める声が多いと指摘。「首相には聞く耳がないことがはっきりした」と批判し、「国民の不安を払拭(ふっしょく)する唯一の方法が、保険証の存続だ」と訴えた。立憲の法案は「一致点があるので、よく話し合いたい」と述べ、前向きに対応する考えを示した。
マイナ推進の野党からも注文「右往左往ぶりがよくない」
マイナンバー制度を推進する立場の日本維新の会や国民民主党からも、政府への批判や注文が相次いだ。
国民民主の榛葉賀津也幹事長…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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