暗礁に乗り上げているJR川口駅の中距離電車停車問題。JR東日本側は駅舎の新築改装費の負担も埼玉県川口市にちらつかせているというが、市はあの手この手で打開を図ろうとしている。市側からは「朝のラッシュ時は通過させる」といった奇策も提案して費用削減を狙う。
11日の自民党川口支部総会。この問題に取り組んできた新藤義孝衆院議員と奥ノ木信夫市長は約600人の支持者を前に「技術的、実務的協議に入った。最大かつ最後のチャンス」と話したが、JR側が昨年11月に示した条件は、事実上停車は不可能とも言えるほどハードルが高い。
市によると、JR側は市が求める湘南新宿ラインは混雑が激しく朝のラッシュ時にはこれ以上乗車できないが、宇都宮・高崎線は可能とした。ただ京浜東北線との乗りかえが生じるため、線路を東西にまたぐ現在のコンコースでは狭く、老朽化した駅舎の改築が必要になる。ホーム新設と合わせた建設費も市が想定していた200億円をはるかに上回る額が示された。
駅舎を新しくしても乗降客数に影響はなく、JRにとって収益が上がるわけではない。一方で駅が新装されることで周辺の土地の価値が上がり自治体の税収が上がる――。そんな事情から駅の改築新築費用は自治体側が背負うのが通例になっている。しかし、一般会計当初予算が2千億円の同市でも「ホーム新設分は仕方がないが、駅舎分までは……」と頭を抱える。
そこに浮上したのが停車を宇都…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル