「ロスジェネ」名付けた企画キャップが語る 「8がけ社会」への教訓

 「8がけ社会」は突然現れたのではない。警告音は何度も鳴っていた。

 2007年の朝日新聞の新年企画は「ロストジェネレーション」というタイトルだった。当時25~35歳だった世代をロスジェネと名付けた企画のキャップを私は務めた。

 その後、この呼び名は、日本社会に刻み込まれた負の刻印となった。もっと声を上げることができたはずだ、という思いが消えない。

 ロスジェネ世代の苦境を訴え続けてきた作家の雨宮処凛さん(48)に昨年末、会った。ロスジェネは過去形で語られるようになった、と彼女は言う。「私たちの多くは結婚も出産も選べなかった。親と同じ人生は歩めない。取り返しのつかなさに打ちのめされています」

 ロスジェネを世に問うた時、取材班が注目したのは、若年男性の非正規化だった。だが、その何倍もの女性が就職難に悩み、低賃金労働を余儀なくされていたことに当時は目が向かなかった。

 あの頃、自分たちは働く気の…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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