中曽根康弘元首相の別荘だった東京都日の出町の「日の出山荘」の母屋が、茅葺(かやぶ)き屋根の葺(ふ)き替え工事を経て、美しく生まれ変わった。山荘は、2006年に町が中曽根氏から寄贈を受け、07年から「日の出山荘 中曽根康弘・ロナルド レーガン日米首脳会談記念館」として一般公開し、維持してきた。現在はコロナ禍で閉館中だが、3月以降、状況をみて公開を再開する。
真新しい屋根をまとった母屋「青雲堂」は、「ロン・ヤス会談」と称された1983年の日米首脳会談のとき、当時のレーガン大統領夫妻を迎えた中曽根氏が和食や日本酒でもてなし、そろいのちゃんちゃんこを羽織って歓談した場所だ。囲炉裏や食卓が当時のままに保存され、近くには写真パネルも置かれている。
裏手に広がる竹林の緑に屋根の黄金色が映えるが、館長の原清さん(82)は「山がこれだけ近いと屋根に湿気がこもりやすくて、傷むのも早いよ」と悩ましげに話す。屋根全体が黒ずんでへこみ、苔(こけ)むしてきたため、町に改修を依頼。昨秋、580万円余をかけて葺き替え工事をした。町によれば、葺き替えは12年ぶり。前回は山に面した北側だけで、開館後では初めての全面改修となった。
■廃屋から首相別荘へ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル