福岡県司法書士会に所属する男性司法書士(54)が昨年、成年後見人として管理していた高齢者の口座から現金数百万円を私的に流用していたことが13日、分かった。男性は西日本新聞の取材で流用を認め「ローンやクレジットカードの支払いに使った」と話した。司法書士会が調査に乗り出している。
成年後見人は、親族などからの申し立てを受けて家庭裁判所が選任。認知症の高齢者や知的障害者など日常生活での判断が難しい人のため、本人に代わり財産管理などに当たる。
関係者によると、司法書士でつくる成年後見センター・リーガルサポート福岡支部が昨年、会員に管理口座の通帳のコピーなどを求める業務報告で不審な金銭の動きを把握。同支部の聞き取りに対し流用を認めたという。男性は取材に対し「司法書士としての売り上げが落ちたのに生活水準を下げられなかった」と説明。引き出した現金は「今月末にも返済する」とした。
同会の別の男性司法書士も成年後見人として管理する口座から現金を流用した疑いがあることも判明。この男性とは連絡が取れず、事実確認ができない状態だという。同会は「現在調査中で詳細についてはお答えできない」としている。
最高裁によると、昨年1年間に家庭裁判所が成年後見人らによる不正行為を確認し、解任などの措置をとった件数は250件、被害総額は約11億3千万円。このうち、司法書士や弁護士ら専門職に関しては18件、約5千万円の被害があったという。
西日本新聞社
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース