「一家4人全員死亡の結果は重大」 被告に禁錮3年判決 福島の事故

 今年1月に福島県郡山市の市道交差点で一家4人が死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)に問われた福島市泉の会社員高橋俊被告(25)に対し、地裁郡山支部は10日、禁錮3年(求刑禁錮3年6カ月)の判決を言い渡した。車を運転する際の基本的な注意義務を怠ったことによる4人死亡という悲惨な結果の重大性を鑑み、被告に実刑を科した。

 判決によると、高橋被告は1月2日午後8時10分ごろ、郡山市大平町の市道を時速約60キロで乗用車で走行中、交差点で軽乗用車と出合い頭に衝突し、軽乗用車を横転させ、炎上させた。事故により、軽乗用車に乗っていた近くの会社員橋本貢さん(当時41)、妻の美和さん(同39)、長男の啓吾さん(同20)、長女の華奈さん(同16)が死亡した。

 小野寺健太裁判官は量刑理由で、まず考慮すべきこととして被害者の一家4人全員が死亡した結果の重大性を挙げた。「家族でむつまじく過ごしていたのに、事故で突然激しい炎にまかれて命を落とすことになった。この結果は、過失運転致死の事案の中でも際だって重い」と指摘した。

 裁判では、佐藤被告が助手席に置いたスマホを気にしながら、初めて通る道路で漫然と車を運転していたことが明らかになった。被告は事故直前まで一本道だと思い込み、交差点だと気づくのが遅れたことが、事故を招いた。

 ただ、事故現場の周辺には街灯が一つしかなく暗かったうえ、交差点に警戒標識や一時停止の標識が設置されておらず、停止線も消えかかっていた。小野寺裁判官は判決で、被告が交差点を見落としやすい状況だったことは否定できないと言及。「過失の程度は重大であったとまでは言えない」とした。

 一方で、道路の形状については、事故現場の約80メートル手前の位置から確認できたとして、「被告の過失の程度は小さくなく、結果の重大性も考慮すれば、執行猶予を付けることは相当ではない」と結論づけた。

 スーツ姿の高橋被告は立った…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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