古都の初夏の風物詩「京都薪能」が1日夜、京都市左京区の平安神宮で3年ぶりに始まった。朱塗りの社殿の前に舞台が設けられ、かがり火の揺らめく光に照らされて能や狂言が上演されると、観客は幽玄の世界へといざなわれた。
1950年に京都能楽会と京都市の共催で始まり、これで71回目。観世・金剛・大蔵という京都を代表する流派による能や狂言を見ることができ、長年愛されてきたが、新型コロナウイルスの影響で、一昨年から2年連続で開催が延期されていた。
京都能楽会の井上裕久理事長は4月の会見で「これだけ長く続いてきても、一番怖いのは忘れられること。よっぽどのことがない限りは開催したい」と話していた。例年2千人を収容する特設会場の定員を、1500人に減らして感染対策をとったという。
今年のテーマは「安寧を祈り…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル