森永製菓が持っている休眠特許を川崎市の老舗和菓子店に貸し出し、新しい商品が生まれた。「大企業」の特許を生かして「まちの店」がヒットを飛ばし「社会」にも貢献――「一粒で三度おいしい」を実現できた裏にあった「幸運」とは?
森永の特許は、抹茶などに含まれるカテキンと、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールを一定の割合で混ぜると、体脂肪を減らす効果がある、というもの。商品化できなかったこの技術を川崎市の和菓子店「末広庵(すえひろあん)」が使い、宇治抹茶チョコ大福を開発。森永の商標も使って「エンゼルのほっぺ」と名付け、10月に売り出した。
「やせる」とまではうたえないが、特許の内容を説明でき、「食べても罪悪感のない菓子」とPR。「すっきりとした甘さで男性にも人気」(末広庵の広報担当者)で、発売直後からヒット商品になった。
きっかけは2016年春。特許…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル