「万死を冒して」撮った被災地 涙のむ観衆、上映で義援金集めも

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黒田健朗 吉田耕一郎

【動画】関東大震災直後の様子を記録したとみられるフィルムが発見された=矢木隆晴撮影

 発見された映像フィルムのタイトルには「関東大地震 大正十二年九月一日 大阪朝日新聞社撮影」とあった。朝日新聞は震災直後、どのような取材をしたのだろうか。

 朝日新聞社史によると、この関東大震災によって、東京朝日新聞は社屋内部が全焼し、新聞の発行ができなくなった。そうしたなか、東京朝日の社会部記者、福馬謙造が被災地を写した写真フィルムを持って1923年9月1日夜に東京を出発。4日朝に大阪朝日新聞本社に到着し、東京の惨状を伝えたことが知られている。

 大阪朝日からも被害状況を確認しようと、記者らが関東方面へ出発していた。その中に、映像を撮影する「活動写真第一班」も含まれていた。朝日新聞がこの年の10月に発行した「関東大震災記」には、「震災の最中に急派した本社の活動写真隊は万死を冒して撮影」を行ったと記されている。

 社史や同年9月4日付大阪朝日朝刊によると、地震発生の当日午後に出発した活動写真第一班は、静岡県内で鉄道が不通になっていたため、自動車や徒歩に切り替えて、同県東部の沼津までたどり着いた。

 当時の記事は「沼津附近(ふきん)の被害、三島神社境内の避難の状況、救護班の活動」などを映像に収めたと伝える。

 フィルムには実際、沼津駅前…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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